サプリメント・食物繊維 スティムフローラ-Stimflora の日記
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食物繊維の不足と便秘
2011.12.16
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便秘の原因は食物繊維の摂取量が不足していること、また1日に必要な食物繊維の摂取量は約20gであることを前回述べました。さらに、食物繊維20gを野菜類や根菜類から摂取することは非常に困難であることも述べました。ところで、前回述べました食物繊維の必要量についてですが、これは一般的には食物繊維の総量のことを示しています。しかしながら、食物繊維には生理機能が異なる各種多様な食物繊維があり、特に便秘との関連においては摂取する食物繊維の種類(質)が問題となります。言い換えれば、便秘の予防や治療に役立つ食物繊維とあまりその効果が期待できない食物繊維もあるということになります。今回は、食物繊維の種類とその摂取状況について概観します。
食物繊維とは、ヒトの消化酵素によって消化されない、食物に含まれる難消化性成分の総称とされています。食物繊維は、化学構造的には炭水化物で構成される多糖類の一種となりますが、同じ多糖類であり米やイモ類に含まれるデンプンやレバーに含まれるグリコーゲンなどの多糖類とは異なり、消化吸収されないので非常に低カロリーな栄養成分となります。
食物繊維は、水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維とに分類されます。野菜や根菜類に含まれる水溶性食物繊維としては、ニンニクやゴボウに含まれるイヌリンとよばれる食物繊維、こんにゃくに含まれるグルコマンナンなどの食物繊維があります。こんにゃくの主成分であるグルコマンナンという食物繊維は、純粋な化学成分としては水に溶けるので水溶性食物繊維に分類されるのですが、食品としてはアルカリ処理を行い固形状となったものが食材となりますので、食する時は不溶性食物繊維として取り扱う必要があります。その他、難消化性デキストリンやポリデキストロースとよばれる水溶性食物繊維が販売されています。しかし、これら2つの食物繊維は天然には存在しない化学的に合成された人工の食物繊維であり、大量製造により価格が安い特徴がありますが、医薬品の様な厳格な安全性試験が実施されておらず、食した時の安全性に不安が残ります。したがいまして、食物繊維を購入する際は、ラベルに表示されている食物繊維の成分名を確認することが消費者にとって非常に重要となります。
一方、不溶性食物繊維には、セルロース、ヘミセルロースあるいはリグニンとよばれる食物繊維が含まれます。このうち、野菜類、根菜類、きのこ類に含まれる主要な食物繊維は、これら植物の細胞壁を構成するセルロースあるいはヘミセルロースという不溶性食物繊維がそのほとんどを占め、水溶性食物繊維の含有量は非常に少ない特徴を有しています。野菜や根菜類の種類によって異なりますが、水溶性食物繊維が占める割合は約1%~30%程度といったところです。このように、野菜類、根菜類あるいはきのこ類を食しても、摂取している食物繊維はセルロースを主とする不溶性食物繊維であるということになります。国民健康・栄養調査(厚生労働省)によりますと、1日あたり成人の水溶性食物繊維の摂取量は約3g、一方、不溶性食物繊維の摂取量は約10g程度となっており、不溶性食物繊維の摂取量に比べ水溶性食物繊維の摂取量が非常に低くなっています。
以上、現代日本人の食習慣では、食物繊維の絶対量(総量)の不足に加えて、水溶性食物繊維の摂取量が著しく低いといえるでしょう。このように、食物繊維の絶対量の不足、および水溶性食物繊維の不足といった食習慣が、便秘、痔、アトピー性皮膚炎や花粉症といったアレルギー性疾患、糖尿病、高血圧あるいは高脂血症といった生活習慣病、また近年増加の一途をたどり癌死原因で第1位となった大腸癌の増加の原因となっているのです。